观光公害:作为生活都市的京都近年来都经历了什么?

头条
2021
10/19
07:45
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この数年で、ガラッと変わった京都の風景。四条通もずいぶん様変わりした。数年も京都にご無沙汰している人が再訪したなら、その変わりように驚くのではないだろうか。なによりも四条通の景色を一変させたのは「世紀の愚策」とまで言われた京都市の「英断」である。

在过去的几年中,京都的景色发生了巨大变化,四条大街也改变了很多。几年没来过京都的人再访京都会惊讶于它的变化。最重要的是,四条大街的景色全然大变可以说是京都“英明”的“世纪愚蠢决策”。

そもそものきっかけは京都の名物である交通渋滞だった。長年の課題であったこの問題を解決するために、この街の交通のあり方そのものの抜本的な改革に着手することになった京都市は、ついに大英断を下す。それは慢性的な渋滞に悩まされる目抜き通り・四条通の車線を「あえて」削減し、「逆に」歩道を拡幅するという、まさに「その発想はなかった」という歩道拡幅事業であった。

最早因为京都著名的交通堵塞,为了解决这个长期存在的问题,京都做出重大决定要对城市交通进行彻底改革。这个“英明决策”就是“不可能的想法”的人行道拓宽工程,把受慢性拥堵困扰的主干大街、四条大街的行车线“故意”减少,“反而”拓宽人行横道。

四条通の主役は「外国人観光客」に

四条大街的主要任务是承接“外国游客”

观光公害:作为生活都市的京都近年来都经历了什么?


当然といえば当然なのであるが、その結果、当初は悪夢のような大渋滞と大混乱を引き起こすことになり、京都市のこの歩道拡幅事業の顚末を「“世紀の愚策”か」と書き立てる新聞記事まで出るほどの事態となった。

这是理所当然的,但结果最初却引发了噩梦般的大堵车和大混乱,甚至出现了有记者把京都市的人行道拓宽事业写成“世纪愚蠢决策?”这样的情况。

しかし、結果的には、この「英断」によって京都の目抜き通りの主役が見事に交代することとなった。車線を減らすことで、四条通は自動車にとって「不便な道」になった。そのおかげで、これまで通りをわが物顔に占拠していたマイカーたちをこの目抜き通りから遠ざけることに成功したのである。

但是,结果是因为这个“英明决断”京都的主干大街的主要作用完美被改变了。因为车道减少,四条大道已成为汽车的“不便之路”。拜其所赐,此前都将街道占为己有的小汽车成功地远离了大道。

そして代わりに新たな主役たちがこの四条通にやってくることになった。新しい主役たちはカラフルなリュックサックを背負い、巨大なキャリーケースを転がしながらやってきた。道いっぱいの外国人観光客たちである。

取而代之的是新的主力来到了四条大街。新主人背着五颜六色的背包,提着巨大的手提箱。满大街的外国游客。

この歩道拡幅が行われたのは2015年。これは外国人観光客による「爆買い」が流行語となり、45年ぶりに訪日外国人旅行者数が出国日本人旅行者数を上回った年である。そして、世界で最も影響力があるといわれるアメリカの旅行雑誌『トラベル+レジャー』において、バルセロナ、ローマ、フィレンツェなどキラ星のような世界的観光都市を押さえて、2年連続で京都が人気観光都市ナンバー・ワンに選ばれた年でもある。

人行道是在2015年拓宽的。这一年外国游客的“爆买”成了流行语,时隔45年访日外国游客数首超出国日本游客。并且,在世界上最有影响力的美国旅游杂志《Travel+Leisure》中,京都力压巴塞罗那、罗马、佛罗伦萨等世界一流的旅游城市,连续两年成为最热门的旅游城市。

つまり四条通の主役交代劇は、世界的な京都観光ブームの盛り上がりと、奇跡とも必然ともいえる絶妙なタイミングでシンクロした出来事だったのである。これは京都にとって象徴的な転換点といえるだろう。

换句话说,四条大街的主角改变剧与全球京都旅游热潮的兴起,在可以说是奇迹般的亦或是必然的绝妙时间点上完美同步。这是京都的象征性的转折点。

京都は今や「史上空前の観光ブーム」

京都现在是“前所未有的旅游热”

この四条通は京都の中心部であり、京都駅に次ぐ交通の要衝である。今や通り自体が大きなバスターミナルの様相を呈し、多くのバス停のルーフが軒を連ね、そろいのゼッケンをつけた係員に誘導されながら、長い行列に並んだ大荷物の観光客たちが次々にバスの中に吸い込まれていく。ひっきりなしにバスはやってくるが、運んでも、運んでも、運ばれるために集まってくる観光客の行列は絶えない。

四条大街是京都的中心,是京都站之外主要的交通枢纽。街道本身现在已经像是大型巴士总站一样,许多巴士站的屋顶都排成一排,工作人员带着统一的号码布,带着大件行李的游客排着长长的队伍被吸进公交车。公交车不间断地行驶,运输着、运输着,为乘车而聚集起来的游客队伍绵绵不绝。

窓越しにバスの車内をのぞくと、ラッシュアワーでなくとも立錐の余地もないすし詰めである。そうして毛細血管を走る赤血球のように京都の隅々にまで観光客を送り込んでいく。

透过窗户往公交车内看去,即使不是高峰时间,也没有足够的立锥之地。然后,游客像红血球通过毛细管一样被送到京都的每个角落。

「乗れないし、1度乗ったら降りられない」そんなふうにもいわれるバスの混雑と、それをさばく手際のよさ。京都の顔・四条通は、今や史上空前の観光ブームに立ち向かう京都の奮闘ぶりが垣間見られるスポットの1つとなっている。

“挤不上车,上车以后也下不来”这样拥挤的公交车,应对起来的手腕高明。从京都的门面四条大街可以一窥面对史上空前的旅游热而奋斗的京都。

とはいえ、歩道を歩いていると、人の波である。たった数年前までは歩道の幅がこの半分ほどしかなかったことなど、今となっては到底信じることはできない。

然而,在人行道上一走,就会发现人潮。仅仅数年前人行道是现在的一半宽,现在是无论如何无法相信的。

「歩いて楽しめる」という京都市の掲げたコンセプトどおり街を楽しみながらゆったり歩く観光客たちを(視界の死角から膝を攻めてくる彼らのキャリーケースに注意しつつ)追い抜き、すり抜けながら、懐かしの縦スクロール・シューティングゲームのように進んでいくことになる。

“步行享受”这个京都提倡的概念,游客们遵循此概念享受街道慢慢行走。你要(一边注意他们从视线的盲点向膝盖处延伸的旅行箱)追赶、赶超他们,得像滚动射击游戏一样前进。

四条河原町の交差点を渡って鴨川を目指す。そうすると次第に歩道の幅は狭くなり、すり抜けも追い抜きも困難になる。なすすべもなく、ただ人波に流されるまま東へと運ばれていく。

越过四条河原町十字路口,前往鸭川。然后,人行道的宽度逐渐变窄并且变得难以超过别人。没有任何办法,只能被人流带着向东走。

京都を代表する近代建築であり、森見登美彦の『夜は短し歩けよ乙女』で全国の文化系男女に広く知られるところとなる東華菜館の美麗きわまる玄関の前を素通りすると、四条大橋にさしかかる。

东华菜馆是京都有代表性的近代建筑,因森美富彦的《春宵苦短,少女前进吧》在全国文艺青年中广为人知。经过东华菜馆的美丽玄关后,就到了四条大桥。

夏に先斗町(ぽんとちょう)のお店が出す川床と河川敷に等間隔で座るカップルが名物である鴨川にかかる橋である。「ああ、川面を走る風が気持ちいい」などと思いながらも、鴨川をバックに肩を寄せ合う観光客の自撮り棒をわれながら慣れた身のこなしで避けつつ対岸を目指す。

夏天时,开着先斗町小店的河床与岸边等间隔坐着的情侣是鸭川河上这座桥的名产。想着“啊,河上的风好舒服”,还得熟练躲开背着旅行包举着自拍杆挤满鸭川的游客向对岸走。

观光公害:作为生活都市的京都近年来都经历了什么?


このまま川端通を越えると歩道に地元住民らしき人の姿はぐっと少なくなり、歩道沿いの商店もお土産物屋や観光客向けの飲食店がほとんどになる。「観光客が多くておっくうな」四条通もこの辺りまで来ると、「観光客が多い」どころではなく、ほぼ「観光客の道」となる。

这样穿过河边人行道上本地人样子的人一下子减少了,人行道上几乎全是商店、特产店和面向游客的饮食店。“游客好多好麻烦”四条大街到了这边已经不是“游客多”,几乎成了“游客的路”。

舞妓さんに伸びる「怪しげな手」

伸向舞妓的“怪手”

观光公害:作为生活都市的京都近年来都经历了什么?


そして京都を代表する花街として有名な祇園に差し掛かると、時代劇でよく見かける高札のような看板が目に入る。歩き煙草禁止やゴミ捨ての注意などが示されており、外国人観光客に対してマナー周知のための「御触書」ということなのだろうとわかる。そしてとくに印象的なのが舞妓さんに伸びる怪しげな手である。

到了代表京都花街的有名的祇园,时代剧中常见的像“高札”一样的看板映入眼帘。禁止走路吸烟,扔垃圾的警示牌等作为对外国游客的礼仪提醒的“御触书”随处可见。尤其令人印象深刻的是伸向舞妓的怪手。

この辺りは、舞妓さんや芸妓さんが座敷を行き来するお茶屋さん、そして彼女たちが寝起きする屋形がある地区であり、この花見小路はいわゆる京都五花街といわれるうち最大の花街である祇園甲部のメインストリートである。とくに景観の整備された南側を中心にここ数年は多くの観光客でにぎわう通りだ。

这一带有舞妓、艺妓们穿梭于座位间的茶屋和她们住宿的官邸,这儿的花见小路是京都五花街中最大的花街祇园甲部的主街。特别是景观非常规整的南侧,近年来很多游客来,这里非常热闹。

しかし、聞くところによると観光客による舞妓さんへの迷惑行為が問題化しているという。

但是,据说游客给舞妓带来的麻烦正成为问题。

この界隈に外国人観光客が押し寄せるようになったのは5年ほど前、2014年前後からとのこと。その頃から単なる人の多さのせいだけにはできないトラブルが数多く起きているようだ。

外国游客开始来到这里是在5年前,2014年左右。从那时起,单单因为人多而引发的麻烦就有很多。

日が落ちる頃、舞妓さんたちはそれぞれ呼ばれたお座敷へと向かう。よく見てみると舞妓さんや芸妓さんの名札がかけられた屋形の前に、カメラやスマホを持った外国人観光客が人だかりをつくっている。どうやらここから舞妓さんが「出動」することがわかって待ち受けているらしい。

日落时分,舞妓们开始前往各自被叫去的房间。如果仔细观察,挂着舞妓、艺妓名牌的官邸前面,全是手持相机、手机的外国游客。显然是他们知道舞妓要从这里“出动”,在这儿等待。

また通りを見ていると、10センチ以上もの高さになるおこぼ(下駄の一種)を履いた舞妓さんが駆け抜けるように歩いていくのを(忙しい彼女たちはとにかく歩くのが速い)、24時間テレビのマラソン中継さながらに並走しながら動画を撮影している観光客も1人や2人ではない。

另外,看一下街道上,舞妓穿着10厘米以上高的厚底鞋(木屐的一种)疾步前行(忙碌的她们步子很快),不止一个两个的游客们24小时电视马拉松直播一样和她们并排进行拍摄。

そしてタクシーが止まるたびに、今度こそは舞妓さんが乗り降りするのではないかと期待した観光客が集まってきてタクシーを囲み、バシャバシャとシャッターを切る。

每当出租车停下来的时候,游客们期待是不是这次有舞妓上下车,赶紧围住出租车,咔嚓咔嚓按快门。

花街とはそもそもどのような場所であったかを知っている人間からすると、あぜんとするような光景である。こんなふうに舞妓さんを執拗に追いかける観光客たちの様子を見た誰かがこう言ったらしい。

在知道花街原本是什么场所的人看来,这一场景非常令人吃惊。好像有个人看到游客们这么执念地追舞妓说:

「まるでパパラッチじゃないか」

“这不就像狗仔队一样吗?”

近年、祇園で問題となっているのが、このような舞妓さん目当ての外国人観光客による数々のマナー違反行為である。

近年来,在祇园把舞妓当做目标的外国游客的各种各样的违反礼仪的行为已经成为了问题。

無遠慮な撮影攻勢に始まり、声かけ、着物にさわる、カメラやスマホを向けてのつきまといなどその種類はさまざまであるが、いつしか、これら舞妓さんを襲う外国人観光客のマナー違反行為の数々を総称して「舞妓パパラッチ」と呼ぶようになった。さきほどの高札が警告していたのは、このような、舞妓パパラッチに対する注意喚起なのである。

毫不顾忌的拍照攻势、搭讪、触碰和服、相机手机的纠缠等各种各样,不知道什么时候起,这些侵袭舞妓的外国游客的违反礼仪的种种行为被称为“舞妓狗仔队”。刚才讲的“高札”提示警告的,就是对这种舞妓狗仔队的提醒。

舞妓さんの着物を破られた、衿元に煙草の吸殻を投げ入れられたなど、にわかには信じられないようなひどい話を耳にする機会も増えた。この界隈に押し寄せている外国人観光客たちの存在は、彼女たちにとってもはや迷惑どころか「危険」な存在になっているといえるだろう。

划破舞妓的和服,往领口里弹烟灰等这种乍一听没法相信的事,传进耳朵里的机会也在增加。这一带涌入的外国人对她们来说岂止是麻烦,可以说是“危险”的存在。

舞妓さんも「生身の人間」だ

舞妓也是“肉身的人”

もともと歴史的景観地区として花街らしさを生かすように整備され、伝統的な花街の風情を残す建物が並ぶ通りなのだが、通りを埋め尽くしてわが物顔で座り込んだり舞妓を追いかけているのは花街には場違いな観光客たちである。

最初道路是作为历史景区为保留花街特色而修缮的,并且道路两侧也是保留传统花街风情的建筑。但是,现在是那些塞满整个街道的、一幅霸占像的游客坐着不走或追赶舞妓。

例えばディズニーランドは、セットからスタッフまで完璧に統一された世界観を構築していることで有名だが、あの空間で唯一、ディズニーの世界観に合致していない場違いな存在は客である。祇園・花見小路の町並みと、通りを埋め尽くすカジュアルな観光客たち。このちぐはぐさを見ていると、まるで自分がテーマパークの一角にいるような錯覚を覚える。

例如迪士尼乐园以构建的统一世界观而闻名,从场景到员工完美的处在这个统一的世界观之下。但在那个空间下,唯一与迪士尼世界观不合的就是游客。这种不一致感会让自己产生一种处在主题公园一角的错觉。

はるばる京都まで非日常を体験しに来た彼らも、自分が今テーマパークにいるように感じているのかもしれない。ディズニーランドでミッキーの登場を待つように、彼らはこの通りで舞妓さんの「登場」を待っているのかもしれない。

游客们远道而来在京都体验非日常生活,结果可能会有种在主题公园的感觉。他们就像在迪士尼乐园等米奇登场一样,在这条街道等待舞妓的“登场”。

しかし、京都で暮らす人々にとってこの街は生活の場であり、日常であり、紛れもない現実である。日々の暮らしのなかで、昼夜を問わず「舞妓パパラッチ」の猛威にさらされる彼女たちは、テーマパークで客を楽しませる着ぐるみのキャストではない。ここで仕事をし、生活をしている生身の人間なのである。

但是,对于在京都生活的人来说,这条街道是生活的场所,是日常,是不容置疑的现实。她们在日常的生活中,不论白天黑夜遭受着“舞妓狗仔队”的狂轰乱炸,但她们不是主题公园里让游客开心的人偶演员。她们是在这里工作、生活的活生生的人。

本内容为沪江日语原创翻译,严谨转载。

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本文来自网络,原文作者:【沪江日语】
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引用 人生如梦总人q 2021-10-19 07:45
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